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箱の家 PROJECT 青本往来記
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コンパクト箱の家

2020年07月02日(木)

梅雨の合間の快晴で暑い一日。8時半出社。9時15分前に事務所を出て表参道駅から銀座線で渋谷まで行き、井の頭線に乗り換える。銀座線ホームから井の頭線ホームまでは上下移動がありかなり歩くので田園都市線の渋谷駅ホームの方が近いかもしれない。明大前で京王線に乗り換えて府中駅に9時40分着。西口から出て欅並木をしばらく南方向へ歩き、右折して東京都府中合同庁舎に10時15分前着。1階ホールで木村と待ち合わせ、まもなく田中会計士が到着。エレベーターで4階に上がり開発指導二課で「165箱の長屋」の敷地の法的条件について相談する。田中さんがこれまでの敷地の地目と納税の経緯について説明し「165箱の長屋」の敷地も現在の地目は畑地だが宅地並の固定資産税を払っていることを報告する。そうならば開発行為の特例で開発行為には該当しないだろうという回答。最近5年間の固定資産税の納税証明書を持参すれば開発行為にはかからないという説明を受けてホッとする。開発行為にならなければ申請手続きは建築確認だけで済むし、道路後退や駐車場の台数設置義務はなくなるからである。10時半過ぎに庁舎を出て、駅に向かって歩きながら地主との打ち合わせのセッティングを田中さんに依頼する。京王線に乗り明大前で田中さんと別れて11時半に帰社。『建築雑誌』7月号が届いたのでfacebookにアップする。連載原稿「生態的デザインをめざして」のスキャンデータを「167N邸」のクライアントN夫妻に送信する。左右社編集部から『新・住宅論』の印刷原稿のpdfデータが届く。一通り目を通しとくに問題がないことを確認してその旨を返信する。これから印刷に回り7月21日(火)までに印刷が完了し7月28日(火)には書店に配送されるとのこと。Amazonでの公開は7月20日前後になるそうだ。価格は2,500円、消費税を加えると2,750円である。400ページだから妥当な価格だろうが『進化する箱』の1,500円に比べると1,000円も高い。献本先について打診を受けたので『進化する箱』の献本先リストを元に絞り込み、夜までに40人をリストアップして左右社編集部に送信する。夜はAmazonから届いた『ヒトの目、驚異の進化』(マーク・チャンギージー:著 柴田裕之:訳 早川書房 2020』を読み始める。


2020年07月01日(水)

雨のち曇りの涼しい一日。8時半出社。熊本の保田さんから「163保田邸」の6月の温湿度データが届く。気温が上がり湿度も高い梅雨になって保田さんはいろいろ試行錯誤し6月末には空調機の設定温度27度に落ち着いたようだ。床下空間の温度と湿度が揺れ動いているのが少し気になるが、アクアレイヤー水温は24度で一定しているのが心強い。『建築雑誌』10月号の連載原稿スケッチを続行する。昨日のスケッチで全体像が見えてきた。メディア論や記号論では〈記号接地問題〉の個別的なトピックはあまり論じられないようだが建築や都市では個別的な接地トピックの方が重要である。逆にいえばメディア論や記号論では〈記号接地問題〉は原理的な問題として論じられるが、建築や都市では道具的・機能的かつ個別的に論じられることが多い。この相違をどう捉えるかをテーマの主軸に据えてみたい。世田谷のKさんから「166K邸」敷地の路線価格が今日発表されたので建替承諾料の金額がはっきりするのは来週だそうである。今日のニュースでは東京23区の路線価格は軒並上昇しているので、おそらく工事費の減額が再度必要になるだろうとのこと。建報社からKENCHIKUの原稿依頼のメールが届く。10月から4回分の原稿依頼なので腰を据えて考えねばならない。『新・記号論』(石田英敬+東浩紀:著 ゲンロン 2019)は第3講義「書き込みの体制2000」と補論の〈4つの追伸〉を読み終わり読了。第3講義では脳科学者のアントニオ・ダマシオからスピノザ、記号学者パース、デリダ、ドゥールーズ=ガタリを総動員して、すべてがデジタル情報化された社会における新しい記号論のあり方が論じられている。生産だけでなく消費を包含した21世紀型資本主義には文化消費に関する記号論が必須であるという主張は理解できるが、その転機が1968年の文化革命だったという指摘は些か眉唾物に思える。デジタル時代の社会性は〈同一化〉ではなく〈模倣と感染〉によってもたらされるという指摘も興味深い。400ページを越える大著だが噛み砕いた内容で、問題点が整理されている上に会話調の講義録なのでスムースに読み通すことができた。〈4つの追伸〉ではすべての社会現象がデジタル化されるハイパーコントロール(監視)社会における権力や自由について論じられているが、実社会での経験に欠けるアカデミシャンの誇大妄想論のようにも読める。本書で展開された議論を整理した『記号論講義:日常生活批判のためのレッスン』(石田英敬:著 ちくま学芸文庫 2020)が7月半ばに出版されるのでAmazonに予約注文する。


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