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箱の家 PROJECT 青本往来記
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コンパクト箱の家

2021年09月16日(木)

曇りで過ごしやすい一日。8時半出社。戸田が「169菅野邸」の外階段の部品分解図と組立図をまとめたので打ち合わせ。部分的にチェックバックした上で修正を指示する。大同建設から杭と基礎の施工図が届いたので佐々木構造計画へ転送し検討を依頼する。続けて大同建設から9月22日に杭工事を実施するので工事立会の要請メールが届いたので、龜谷清さんに転送し立会いを依頼した上で、佐々木構造計画にも転送する。夜、佐々木構造計画から杭と基礎の施工図CBが戻ってきたので配管スリーブの位置を記入した上で大同建設に返送し修正図を再送するように指示する。アップルサポートセンターからiMacの修理が完了し発送した旨のメールが届く。予想以上に迅速な修理に少々びっくりする。直ちに宅配業者に連絡し明日午前中の配送を依頼する。『宗教以前』は「終章―国家・科学・宗教」と阿満利麿の解説「繊細の精神」を読み終わり読了。「終章」では、国家と宗教、科学と宗教の二つの関係について論じ、その上で現代における宗教のあり方について問題提起している。国家と宗教の関係においてはデュルケームが提起した〈聖性〉と〈世俗性〉の観点から西欧中世におけるカトリシズム成立の歴史について検討し、これに対して日本では最澄に始まる鎮護国家仏教が、本治垂迹説をとる国家神道に吸収され〈神国日本〉というイデオロギーとなって昭和の軍国思想へと統合されたことを指摘した上で、宗教が国家に対する批判的視点を持つことによって国家から超越した原理たりうることの必要性を主張している。科学と宗教の関係については、科学の起源にプロテスタンティズムが存在していたことを指摘し、科学と宗教の両立可能性を指摘した上で、宗教は国家と科学という世俗性を超越した〈聖性〉すなわち普遍宗教を目指すべきであることを提唱している。これまで宗教のことはほとんど考えこともなかったし、自分の中に潜む無宗教性はマルクス主義によるものだと考えていたが、本書を読んでどうやらそうでもなく、子供の頃から刷り込まれた宗教に対する融通無碍な思想によるものらしいことが分かってきた。『建築雑誌』9月号の連載で「境界論再考」を書いたことによって、微かにその点に気づいたのだが、まだ明確には意識化できていない、その点を確認するために次は『日本精神史: 自然宗教の逆襲』(阿満利麿:著 筑摩書房 2017)を読んでみようかと思う。今日の全国のコロナ感染者は5,705人。東京の感染者数は831、埼玉360、千葉296、神奈川534、一都三県の合計2,021は全国の35.4%。茨城139、静岡129、愛知595、大阪858、京都151、兵庫301、福岡234、沖縄229。


2021年09月15日(水)

曇り時々晴れの蒸し暑い一日。8時半出社。今夜『建築雑誌』の最後の編集委員会があるので、2年間を振り返る感想をまとめてみる。まず編集方針については当初から以下の3つのスタンスを決めていた。.椒肇爛▲奪廚併訶世謀阿垢襦↓現場取材を中心とする、N鮖謀なアプローチを忘れない。この3点は何とか達成できたが、総じて毎号の特集テーマは問題提起にとどまり、連載も3500〜4,000字程度では掘り下げた議論はできなかったのが反省点である。ただし編集委員の板谷敏正さんが企画するインタビュー取材は、僕にとっては毎回目から鱗が落ちる内容で、一挙に視界が広がるような経験だった。表紙と田中義久さんの活字のデザインが素晴らしかった。僕だけが年齢が突出しているので、編集委員との世代差を痛感したことも記憶に残っている。編集委員の何人かが大学の教え子や界工作舎のスタッフだったせいもあるかもしれない。11時45分に宅配業者がiMacを集配に来る。おかげで僕の机の上は広くなったがMacbookとiPadの画面は小さいので27インチ画面のiMacがないと手足をもがれたような気分になる。早く慣れるように努力しよう。大同建設から「169菅野邸」外階段のドブ漬けメッキのサイズの検討結果メールが届いたので、直ちに戸田と打ち合わせて部品への分解と組立について再検討する。16時過ぎに事務所を出て地下鉄で三田の建築会館へ。17時から『建築雑誌』の最後の編集委員会。出席者は編集委員長の高口洋人、幹事の加藤耕一、長澤夏子、僕。編集委委員の板谷敏正、長谷川香、岡本正、編集担当の伏見唯の8人である。Zoom参加のメンバーを含めて各人が2年間の感想を述べる。最後に僕が上にまとめた感想を述べて19時に終了。近くの居酒屋に移動して打上げ。さまざまな思い出話で盛り上がる。22時前に解散。22時半に帰社。そのまま帰宅しベッドに倒れ込む。『宗教以前』は「家と祖先」と「死生観」を読み終わり「終章―国家・科学・宗教」へ進む。「家と祖先」では、家や村の祭りと家族構成の関係が紹介された後に、柳田民俗学と祖先崇拝の考え方が『先祖の話』を中心に批判されている。柳田民俗学の祖先崇拝が神道中心であり仏教を蔑ろにしているからである。「死生観」では〈賽の河原〉の話題から説き起こし、キリスト教とヨーロッパにおける死生観との比較論が展開され、葬祭仏教としての現代仏教のあり方が検討されている。今日の全国のコロナ感染者は6,806人。東京の感染者数は1,052、埼玉513、千葉354、神奈川489、一都三県の合計2,408は全国の35.4%。静岡170、愛知679、大阪1,160、京都177、兵庫367、広島107、福岡248、沖縄255。


2021年09月14日(火)

曇りで涼しい一日。8時半出社。明治大学の川島範久さんが名古屋の建設会社屋をサステイナブルにリノベーションしたので、オープンハウスを開催することになった。当初はやや腰が引けていたのだが、コロナ感染が収まってきたので行くことに決めて連絡したところ、京都大の小見山陽介さん、都立大の能作文徳さん、東大の権藤智之さんたちが同行することになる。早速、名古屋駅構内の〈銀の鈴〉を待ち合わせ場所に決めて、集合時刻に合わせて新幹線を予約する。木村がまとめた「165箱の長屋」二期工事の案をチェックバックし、図面をまとめてみるように指示する。13時前に木村と事務所を出て、表参道から田園都市線、渋谷から井の頭線、名大前で京王線に乗り換えて13時40分に分倍河原駅に着く。Oさん宅の前でTPO(タカギプラニングオフィス)の高木栄一さん、市川夏子さん、吉田有沙さんと合流し14時前にO邸へお邪魔する。すでに田中会計士が待機している。まずTPOの営業内容について説明を聴いた後に「箱の長屋」の賃貸条件に関するTPOの提案を聴く。TPOではすでに分倍河原駅近くのマンションやアパートの分布状況と賃貸料について調査しているようだ。最終的な賃貸条件については完成近くなった時点で再検討することとし15時前にお暇する。その後、工事中の「箱の長屋」の内外をTPOに案内。外装も内装もまだ工事中なので、空間構成と設備仕様について概略を説明するにとどめる。賃貸募集のために簡単な〈住戸マニュアル〉を作成する必要があるだろう。15時半に現場を発って16時半に帰社する。明朝の集配に備えてiMacの電源とネット回線を抜いて打ち合わせ机に移動する。『宗教以前』は「産土神(うぶすながみ)の伝統」を読み終わり「家と祖先」へ進む。産土神とは村落の神、耕作地の神、いわゆる鎮守の神である。歴史家の内藤湖南は「日本の歴史は応仁の乱以後を考えればよい」といったそうだが、その理由は古代、中世から武家社会の近世に変わるときに決定的な転換があったからだという。天皇家の氏神としての伊勢信仰の基盤はこの間に形成され、江戸時代には民間信仰の聖地として〈お伊勢参り〉が盛んになったが、明治政府によって民間信仰から国家神道へと転換されたのだという。一方、戦後に日本の産土神として戦争の英霊が祀られた靖国神社に対しては、著者は政教分離の原則に反する神社であるとして否定的である。今日の全国のコロナ感染者は6,277人。今日の全国のコロナ感染者は6,277人。東京の感染者数は1,004、埼玉506、千葉34、神奈川485、一都三県の合計2,376は全国の37.9%。静岡107、愛知568、大阪942、京都118、兵庫452、福岡209、沖縄284。


2021年09月13日(月)

晴れ時々曇りの蒸し暑い一日。9時出社。iMacの調子は相変わらず悪いが、一時的に使える時もあるので、その間はメールチェックや原稿スケッチに使う。それでも突然ブラックアウトすることには辟易する。修理に出すのは今週水曜日だが、しばらくの間はMacbookか iPadでの作業に切り替える必要があるようだ。戸田と「169菅野邸」の外階段について打ち合わせ。トラス階段については亜鉛どぶ漬けメッキが可能な最大サイズを確認しないと先に進めない。階段の機能寸法、佐々木構造計画からチェックバックがあった構造システム、どぶ漬けメッキが可能な最大サイズ、部品の分解と組立の条件をまとめて検討しなければまとまらないが、これらの条件をすべて考慮して統合するのはなかなか難しい。「165箱の長屋」クライアントOさん、田中会計士、タカギプラニングオフィスに明日のO邸での打ち合わせのリマインドメールを送る。大同建設から先週の地鎮祭の写真と質疑が届く。何枚か写真を選んで界工作舎HPとfacebookにアップする。床スラブのデッキプレート仕様に関する質疑は佐々木構造計画へ転送し承認を得たので回答書にまとめて大同建設に返信する。それまで時々開いていたiMacは、夕方に完全にブラックアウトしたので、Macbookでの作業を本格的に開始する。『宗教以前』は「神の啓示」を読み終わり「産土神(うぶすながみ)の伝統」へ進む。「神の啓示」では、神の啓示としての巫女の〈託宣〉の議論から始まり、中世における託宣をめぐる混乱から法然や親鸞を経て、武家社会の成立に伴って神仏分離が進み、此の世のことは神に、あの世のことは仏に託す神仏分業が確立する。併せて戦後の新興宗教の勃興も紹介されている。今日の全国のコロナ感染者は4,171人。東京の感染者数は611、埼玉251、千葉294、神奈川529、一都三県の合計1,685は全国の40.4%。茨城114、愛知554、大阪452、兵庫191、福岡158、沖縄140。減少傾向と月曜日減少の相乗減少である。


2021年09月12日(日)

曇り一時雨の蒸し暑い一日。9時半出社。日記を書き終わりHPにアップしたところでiMacが突然ブラックアウトする。相変わらずiMacの調子が悪いので、サポートセンターに電話し指導を仰ぐが、電話では解決できない。結局、機器本体をサービスセンターに預けて修理してもらうしかないとのこと。そのためにはiMac上のデータをバックアップする必要があるが、この6月にデータがすべて消失した後なので、画面上のファイルは比較的少ない。画面が立ち上がっている短い時間にまとめてメールでiPadへ送る。こういう時のために、AppleID によるファイル共有システムがあれば簡単なのだが、iPadのIDを変えることができないので、ファイルをひとつづつ圧縮してメールで送るしかない。思い起こせば今年6月以降はiPhoneやiMacの故障続きである。家早何友。データの転送は14時に終了。ぐったり疲れたので帰宅してベッドの中で読書。週末はドタバタして『宗教以前』はなかなか読み進められない。夜、BSTVで久しぶりに『BLADE RUNNER』(監督:リドリー・スコット 1982)を観る。40年前の作品であるにもかかわらず光と影の演出の妙に感動する。ヴァンゲリスの音楽も画面に溶け込んでいる。
https://www.youtube.com/watch?v=h9ezypI-yc4&list=RDh9ezypI-yc4&start_radio=1
今日の全国のコロナ感染者は7,212人。東京の感染者数は1,067、埼玉504、千葉398、神奈川669、一都三県の合計2,636は全国の36.6%。北海道135、茨城140、静岡113、愛知855、大阪1,147、京都196、兵庫398、福岡292、沖縄273。


2021年09月11日(土)

曇り時々晴れの蒸し暑い一日。9時出社。昨夜からiMacの調子が悪く、一旦スリープにすると立ち上がらなくなる。裏面のインターフェースをすべて抜いて再度スイッチを入れると立ち上がるのだが、再びスリープにすると反応しなくなる。システム終了にして終了した場合は、スイッチを入れると立ち上がるのだが、しばらくするとブラックアウトになる。電源を抜いて差し込み直し、スイッチを入れると立ち上がるというイタチごっこである。やはりサポートセンターに問い合わせるべきだろうか。11時半に週末定例の所内打ち合わせ。戸田がまとめた高窓の詳細図についてチェックバック。工事手順から次は浴室周りの詳細図の検討を始めるように指示する。15時から『建築雑誌』12月号特集「都市のイノベーション」のzoom座談会。参加者は東北大学の五十嵐太郎、SF考証/SF作家の高島雄哉、モーター/環境ジャーナリストの川端由美の3人。司会は高口洋人編集長、編集委員の長澤夏子、中川純、僕の3人が参加。テーマは近未来のモビリティと都市・建築の関係についてである。五十嵐さんがフォスター・アソシエイツの砂漠都市〈マスダール〉に関する話題から初めて、VRによるモビリティの変容について高嶋さんや川端さんが話題提供する。話題がひと回りしたところで僕からは、モビリティについては人流だけでなく物流についても検討すべきだという問題提起を行った上で、コンテナ物流によって湾岸の倉庫群が超高層マンション群に換わり湾岸のランドスケープが一変したことと、高速道路のインターチェンジ脇に巨大な箱型の物流基地が出現して田園風景が破壊されていることを指摘する。しかしこの話題はあまり展開せず、再びVRによるSF的な都市論が話題になる。僕としてはsF的な話題にはあまり興味を持てないので終了前の17時前に退出。佐々木構造計画から「169菅野邸」の鉄骨外階段のチェックバックが届いたので戸田に検討するように指示して帰宅。毎週土曜日18時からBS朝日で放映されるイタリアの〈小さな村の物語〉を観ながら、イタ飯屋から届いた前菜、ブイヤベース、パスタと赤ワインをいただきながら妻と夕食。食後ベッドで一休みした後に21時からウィスキーを煽りながらNHKスペシャル「9・11閉ざされた真相 〜遺族と国家の20年〜」を観る。実行犯のうちの大部分がサウジアラビア人であったことから、アメリカ政府とサウジアラビとのねじれた関係が浮き彫りにされる。今日の全国のコロナ感染者は8,807人。東京の感染者数は1,273、埼玉780、千葉429、神奈川862、一都三県の合計3,344は全国の38.0%。北海道156、茨城140、静岡134、愛知970、岐阜153、大阪1.263、京都199、兵庫507、広島110、福岡378、沖縄270。減少傾向が続いている。


2021年09月10日(金)

晴れ時々曇りの蒸し暑い一日。8時出社。iPadを鞄に詰め、8時過ぎに事務所を出て、銀座線外苑前駅で新橋にてJR線で浜松町まで行きモノレールに乗り換えて羽田第一ターミナルに9時15分着。10時10分発出雲行便を待つ間に日記をまとめて界工作舎HPに書き込む。いつもより小さい飛行機だが機内は7割の乗客。雲の中で少し揺れたが定刻11時35分に出雲空港着。ロビーで龜谷清さんと待ち合わせ、車で松江市内のドライブインレストランへ。ゆっくりと昼食を摂りながら歓談。龜谷さんから1970年代に出雲で開催された建築デザイン会議の思い出話を聴く。黒川紀章の主催で、まとめ役は布野修司。参加者は渡辺豊和、毛綱毅曠、山本理顕、高松伸といった野武士の世代の建築家たちだったそうだ。建築コスモロジーが主題になったポストモダンの時代だが、その潮流は1980年代のバブル期にモダニズムが再評価されるにつれて消失した。12時半に店を出て宍道湖畔の「169菅野邸」の敷地へ。すでに菅野夫妻と大同建設が待機している。敷地中央の建物の位置にテントが設営され、地鎮祭の会場がセットされている。13時畔から本格的な地鎮祭開始。神主の先導で儀式が進み14時過ぎに終了。その後、大同建設が現場事務所を借りている敷地北側のマンション1階に移動し、現場監督や電気、給排水の協力業者と顔合わせ。その後、再び敷地に戻り、龜谷さんと一緒に縄張と建物配置の確認。道路から敷地へ斜路の勾配が車の進入に厳しいのでその対処法について意見交換。敷地のレベル差が西の道路側と東の境界で45僂△襪燭瓠∪澤GLを現状敷地の中央に設定する。次回は鉄骨の製品検査に来ることとし、それまでの杭工事と基礎工事の現場監理は龜谷さんに任せることを確認してから、菅野夫妻と大同建設に挨拶して、14時半過ぎに現場を発ち15時15分に出雲空港に着く。16時10分発の羽田行便に搭乗。朝の便よりも一回り小さな飛行機で定刻17時40分に羽田着。19時過ぎに帰社。今日の書類を整理し20時半に帰宅。シャワーを浴びて汗を流し、ウィスキーを煽りながらDiscoveryチャンネルで20年前の9・11のドキュメンタリー番組を観る。ちょうどアフガニスタンからアメリカ軍が撤退したばかりだが、20年経っても国際情勢はまったく改善されていないことに考え込んでしまう。夜半就寝。今日の全国のコロナ感染者は8,892人。東京の感染者数は1,242、埼玉556、千葉461、神奈川829、一都三県の合計3,088は全国の34.7%。北海道117、茨城163、静岡176、愛知1,031、岐阜110、大阪1.310、京都190、兵庫528、広島148、福岡438、沖縄301。


2021年09月09日(木)

雨のち曇りの肌寒い一日。9時出社。松江の大同建設から「169菅野邸」の生コンクリート配合計画書が届いたので、直ちに佐々木構造計画へ転送し、検討結果を今日中にくれるように依頼する。鈴木工務店と「165箱の長屋」の電気システムついてメールのやり取り。TH-1から「170 M邸」の現状の図面の要求メールが届く。見積依頼から2週間以上が経過しているのに、今頃になぜかと一抹の疑問を感じるが、ともかくM邸の現状図面のスキャンデータを送信する。『建築雑誌』編集委員会の最後のミーティングを緊急事態宣明けの9月15日(水)夜に開催予定だったが、宣言が延長になったのでワクチンを2回受けたメンバーだけを対面参加とし、それ以外はzoom参加に変更してされる。久しぶりなので僕は対面参加するつもりである。18時半から界工作舎で呑み会開始。コロナ禍のために延期になっていた戸田の誕生祝いである。代々木のイタ飯屋から何点かのプレートを配達してもらい、コンビニで購入したビールと赤ワインで祝杯。雰囲気はないが、大学生並みのコストで美味しいイタ飯がいただけるので、それなりに楽しい誕生会である。20時終了。早目の20時半に帰宅しシャワーを浴び、TVニュースを観ながらウィスキーを呑み直し、夜半前に就寝。『宗教以前』は「仏神の加護」を読み終えて「神の啓示」へ進む。日本の神は土間と座敷の二重構造を持っていること。土間の神は竪穴式住居の時代の痕跡であり、座敷の神は11月の神無月には出雲に集まるが、土間の神は住居に留まる。大和朝廷の時代に伝来した仏教は既存の神を統合して〈本地垂迹の論理〉と相俟って統合される。著者によれば、日本の神々は最終的には、偶像を持たない〈土間の神〉と〈座敷の神〉、それらを神政政治的に統べる〈天皇神〉という三重構造を持つことになるという。そして明治初めの神仏分離令によって神と仏とが此の世、あの世のそれぞれの管理者という機能分化をはっきりさせた上で、さらにかみがみが機能神化するに応じて、今日の神頼みは個人単位に分化することに至っている。著者はこう結論づけている。「国家神道による上からの命令は神の宣託と同じで、運命的に受容せねばならない。これは日本の宗教一般における〈受動性〉の、決定的にネガティブな帰結である。何に対しての〈受動性〉であるかが自覚的なものにならないのである」。今日の全国のコロナ感染者は10,400人。東京の感染者数は1,675、埼玉697、千葉591、神奈川804、一都三県の合計3,767は全国の36.2%。北海道144、栃木104、茨城183、静岡173、愛知1,170、岐阜129、三重129、大阪1.488、京都270、兵庫676、広島146、福岡429、沖縄336。漸減は続いているが、やはり緊急事態宣言の延長は発令されるようだ。


2021年09月08日(水)

曇り一時雨の暖かい一日。8時半出社。戸田がまとめた「169菅野邸」の内部階段と外部階段について打ち合わせ。鉄骨の製作寸法の誤差を吸収する〈逃げ〉の必要性について説明し、図面の修正を指示する。夕方までにまとまったので、外部のトラス階段だけを佐々木構造計画に送り構造の検討を依頼する。「165箱の長屋」の隣家の防火窓についてクライアントのOさんとメールのやり取り。『建築雑誌』11月号連載原稿のスケッチを続行。〈建築の4層構造〉は池辺陽が提唱したデザインスゴロクの影響を色濃く受けていることを改めて確認する。トピックが多いので1回分に収まるかどうか難しいところである。前半は思想的な背景に関する議論に絞り、後半を建築的な議論に展開させることも考える。『宗教以前』(高取正男+橋本峰雄:著 ちくま学芸文庫 1968 2020)は序章「伝統の心情」と「忌みの思想」を読み終えて「仏神の加護」へ進む。本書の初版は1968年『日本的思考の原型』の初版は1975年に出ているので、両著は1970年代の〈野武士の世代〉が追い求めていたポストモダンな建築的コスモロジーに影響を与えたかもしれないと推測する。僕が大学を卒業したのは1969年なので、その世代の末尾に所属している。そのような歴史性を念頭において読んでみよう。序章で著者はこう書いている。「本書は、日本の民俗―常民の生活文化を通して、日本人の伝統的な宗教意識のあり方の諸相をさぐり、あわせてそれの今日的な意義を考えようとする一つの試みである」。その上で著者はタイトルの〈宗教以前〉の意味を、々駝永顕衆柄阿量餌科顕修涼罎僚ゞ軌媼韻肪輒椶垢襦↓地方の民間信仰、常民の宗教民俗の分析から出発する、J教やキリスト教などのいわゆる創唱宗教以前の宗教、近代的個人以前の共同邸の宗教をとりあげる、ざ畭紊僚ゞ軌柄阿痢∩斡畭紊慮胸録斉擦藩珊腓靴進教に注目する、とういう4点を挙げている。「忌みの思想」では記紀神話から初めて、死や誕生にまつわる日本特有の様々な〈忌み〉の様相を紹介している。〈忌み〉は〈斎み〉ともいわれ、その禁欲的なエートスはマックス・ウェーバーが提唱した「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」にも似て、明治の近代化の大きな原動力になったという指摘は興味深い。本書を読みながら、僕は8月7日(金)に出雲の龜谷清さんに案内されて、松江の〈神魂(かもす)神社〉を訪ねたことを思い出した。今日の全国のコロナ感染者は12,396人。東京の感染者数は1,834、埼玉779、千葉610、神奈川1,099、一都三県の合計4,322は全国の34.9%。北海道180、群馬117、栃木110、茨城206、静岡220、愛知1,290、岐阜178、三重111、大阪2,012、京都381、奈良139、兵庫852、広島150、福岡572、沖縄413。


2021年09月07日(火)

久しぶりの晴れで暖かい一日。8時半出社。佐々木構造計画から「169菅野邸」の屋根詳細図のチェックバック図とコメントのメールが届いたので、矩計詳細図に反映させるように戸田に指示する。屋根面と高窓の斜屋根の面剛性を確保するために、いくつか補助部材を追加するように指示されているが、それ以外は大きな変更はないようでホッとする。それにしても木軸と構造用合板による組立梁にはいろいろ構造的な制約があるようだ。組立梁の製作時には十分に注意が必要である。まもなく佐々木構造計画から鋼管杭施工計画書のチェックバックも届いたので、修正した矩計詳細図と併せて詳細な説明コメントを加えた上で、大同建設と龜谷清さんに送信する。木村が14時に事務所を出て「165箱の長屋」の現場監理に赴き18時半に帰社する。現場は屋根の板金工事がほぼ完了し、床のアクアレイヤーの敷設が終わっている。現場の写真を添えて現場監理報告書をOさんと田中会計士に送信する。『建築雑誌』編集部から10月号座談会の最終ゲラが届いたのでチェックバック。『日本的思考の原型』は第4章「マレビト論再考」「あとがき」と阿満利麿の解説「現在学としての民俗学」を読み通して読了。第4章では、柳田國男と折口信夫の〈マレビト論〉を比較しながら日本における漂泊民の伝統について論じている。農耕社会では地域集落への定住が通常の居住形態だが、さまざまな理由で共同体を去る漂泊民は近世までかなり存在したようだ。そういう行為をいわゆる〈駆け落ち〉とは異なる意味で〈欠け落ち〉と読んだらしい。そのような漂泊民を〈マレビト〉と呼んだのではないかと著者は示唆している。この問題をもう少し踏み込んで考えてみたいので、引き続き『宗教以前』(高取正男+橋本峰雄:著 ちくま学芸文庫 1968 2020)を読み始める。今日の全国のコロナ感染者は10,603人。東京の感染者数は1,629、埼玉647、千葉648、神奈川738、一都三県の合計3,662は全国の34.5%。北海道137、茨城125、静岡213、愛知1,218、岐阜200、三重120、大阪1,649、京都291、奈良116、兵庫620、広島136、福岡424、熊本117、沖縄383。徐々にではあるが減少傾向が進んでいる。


2021年09月06日(月)

曇り一時雨の肌寒い一日。8時半出社。界工作舎は今日から通常業務である。熊本の保田さんから「163保田邸」の8月の温湿度データが届く。8月は雨続きで気温もあまり上がらなかったようだ。戸田と「169菅野邸」の室内階段詳細図について打ち合わせ、ささら桁スチールプレートの幅を揃えるように修正を指示する。世田谷区から「170 M邸」の狭隘道路申請の修正図が届く。鈴木工務店と「165箱の長屋」の隣家防火窓調査に関するメールのやりとり。『日本的思考の原型― 民俗学の視角』(高取正男:著 ちくま学芸文庫 2021)を読み始める。『建築雑誌』9月号の連載「境界論再考」と、昨日読み終わった『善と悪のパラドクス』を結びつけるアイデアを探索してみたいと考えた。民俗は生物的な進化とは異なるが、時間をかけて暗黙知化・慣習化した文化的な感性だからである。第1章「エゴの本姓」と第2章「裏街道の話」を読み終わり、第3章「土着との回路」を飛ばして第4章「マレビト論再考」に進む。第1章では、日本人の個人のアイデンティティについて議論されているが、個室の有無に関連したプライバシーの日本的なあり方についての議論が興味深い。著者は個室やプライバシーについて議論する前に、建築のあり方について検討すべきだと主張している。著者はこういっている。「なにをもってプライバシーの象徴とみなすかという文化の型の問題だけで、近代以前の伝統的な社会での個人意識に、本質的なちがいとか程度の差はなかったとみるべきである」。要するに物理的な個室の有無は、プライバシーのあり方に関する一面的な条件に過ぎないという主張である。著者は日本における個人専用の食器や枕の例を挙げながら、こう続けている。「自我についての近代的な自覚と認識を深める方途も、西洋の個室の場合と少しも変わらないほど同じように、立派に存在しているはずである」。かくして著者の結論はこうである。「個人の私権、プライバシーといった世界中どこにでも通用する普遍的理念も、衛生的という近代科学のもたらした概念とおなじように、現実には民族ごとに濃厚に個性をもつ伝統的な禁忌意識や潔癖感に支えられ、両者はたがいに層序をもって固く結ばれている」。〈箱の家〉の一室空間住居について改めて考え直すことを迫られる刺激的で貴重な視点である。第2章は、宮本常一を参照しながら、間道や馬と牛の道など道路の二重構造に関するさまざまなトピックが紹介されている。今日の全国のコロナ感染者は8,234人。東京の感染者数は968、埼玉450、千葉665、神奈川971、一都三県の合計3,054は全国の37.1%。北海道123、茨城158、静岡135、愛知1,190、岐阜125、三重109、大阪924、京都258、奈良116、兵庫357、広島145、福岡420、沖縄167。今日は月曜日減少だが、政府は首都圏と関西圏を中心に9月12日までの緊急事態宣言を9月末まで延長することを検討中だという。菅政権の最後の足掻きにしか思えない。家早何友である。


2021年09月05日(日)

曇り一時雨の涼しい一日。10時出社。Dropboxから戸田がまとめた169菅野邸」の階段詳細図をチェックバック。かなり改良されているが細かなところで疑問点が多い。明朝、戸田に確認しよう。『建築雑誌』11月号の連載原稿スケッチを続行。〈建築の4層構造〉の理論的背景を世界の階層構造から始めてできる限り広い範囲から説明してみたい。『善と悪のパラドクスー人の進化と〈自己家畜化〉の歴史』(リチャード・ランガム:著 依田卓巳:訳 NTT出版 2020)は、第12章「戦争」、第13章「パラドックス解消」、「著者あとがき」を読み終えて読了。第12章では、〈連合による能動的攻撃性〉の起源と影響について、ヒトの社会的進化に位置づけ流試みが展開されている。ヒトの攻撃性については伝統的に、自己家畜化による反応的攻撃性の抑制を重視するジャン・ジャック・ルソー的〈性善説〉と、〈連合による能動的攻撃性〉を含む攻撃性をヒトの本能とみなすトマス・ホッブス的〈性悪説〉との対立的な考え方があるが、著者はいずれも〈生物学的決定論〉であると批判している。さらに著者は〈連合による能動的攻撃性〉の究極的な例はナチスによるホロコーストだが、それを〈非人間的〉と見なすべきではなく、周到に計画された〈連合による能動的攻撃性〉であるという意味において、もっとも〈人間的〉であることに注意を喚起している。第13章は本書で展開された議論のまとめである。反応的攻撃性と能動的攻撃性の関係について著者はこうまとめている。「ヒト科において20万年前に確実に始まった自己家畜化によって、反応的攻撃性が抑えられた。鍵となったのは言語にもとづく共謀だった。下位の男たちが相談の上で団結し、横暴にふるまう上位者を殺す力を得たのだ。言語のおかげで敗者たちは一つの計画に同意し、危険になりうる対立を避けて、ほぼ安全にボスを殺すことができる。反応的攻撃性を抑える遺伝子の選択は、独裁者候補を抹殺することの予期せぬ結果だった」。一方「能動的攻撃性に関しては、計画的な暴力をふるう性質は少なくとも30万年前にヒト族の祖先に芽生えていた。連合による能動的攻撃性の高さは、少なくとも更新世の250万年前に発動していると考えられる」「つまり人間の天使のような性質と悪魔のような性質の進化は、言語で可能になった高度な意図の共有から生じた。その能力が向社会的行動にも寄与したことは間違いない」。以上の一連の所論から導き出されるのは、人間の〈向社会性〉と〈反応的攻撃性〉と〈能動的攻撃性〉は、進化を通じて形成された三位一体的な産物であるという結論である。これこそが〈善と悪のパラドクス〉である。家早何友。今日の全国のコロナ感染者は12,908人。東京の感染者数は1,853、埼玉817、千葉1,129、神奈川1,242、一都三県の合計5,041は全国の39.1%。北海道218、茨城259、静岡221、愛知1,376、岐阜164、三重137、大阪1,820、京都339、奈良156、兵庫696、岡山133、広島136、福岡589、沖縄367。このまま減少傾向が続いてくれればいいのだが。


2021年09月04日(土)

曇りのち雨の涼しい一日。昨日は孫が泊まり今朝は8時半前からからネット授業に参加している。その様子を少しだけ見届けてから8時半に出社。松江の大同建設から「169菅野邸」の杭工事の施工計画書と質問メールが届いたので、佐々木構造計画に転送する。11時半から戸田と週末定例の打ち合わせ。戸田がまとめた「169菅野邸」の室内階段周りの詳細図について意見交換。階段の構造について検討しながら2階床端部の納まりについて基本方針を決め、それに従って修正するように指示する。13時前に事務所を出て銀座線で新橋駅にて下車。東方向に歩いてパナソニック汐留美術館へ。13時半から開催中の〈サーリネンとフィンランドの美しい建築〉展を観る。人気が高くかなり人が多い。エーロ・サーリネンの父エリエル・サーリネンを中心とする展覧会である。エリエルは20世紀初頭のフィンランドの建築家で、ヘルシンキ中央駅の設計者として有名である。1922年のシカゴ・トリビューン社国際コンペで次点となったのを機に、1923年にアメリカに渡り1932年にクランブルック教育コミュニティを創設して初代校長となる。展覧会はそれ以前のフィンランドでの仕事が中心で、アールデコから近代建築のへ移行期のデザインであることがよく分かる。会場の外で上映されているエーロ・サーリネンの息子が製作したvideoは必見である。F・O・ゲーリーが出演しているのは意外だが、インタビューで彼が、エリエル・サーリネン設計のインディアナ州コロンバスの〈ファースト・クリスチャン教会1942〉を訪れた時「僕は膝から崩れ落ちた」と述べているのも驚きである。コロンバスのこの教会は、ゲーリーの建築とは似ても似つかない、モダニズム・デザインの典型的な箱型建築だからである。深読みすれば、ゲーリーにとってこの建築との出会いは一種のトラウマであり、そこから逃れるためにアモルフな建築を追求するようになったと考えられなくもない。
https://www.youtube.com/watch?v=5bR9BPkZKIQ
この教会はコロンバスの近代建築群を背景に描いた映画『COLUMBUS』(Kogonada:監督 2017)にも出てくる。
https://movies.yahoo.co.jp/movie/370650/trailer/
『善と悪のパラドクス』は、第11章「圧倒的な力」を読み終えて、第12章「戦争」に進む。第11章では(続く第12章も)ヒトの自己家畜化による〈反応攻撃性〉とは異なる〈能動的攻撃性〉とりわけ〈連合による能動的攻撃性〉に関する議論が展開されている。〈連合〉とは、複数の個人が組織的な暴力行為のために実行集団に加わることを意味する。〈能動的〉も「自然発生ではなく、興奮状態にも関係ない、計画的または意識的な行動によって目的の達成をめざす」ことを意味する。〈反応攻撃性〉と〈能動的攻撃性〉は、脳における制御回路がはっきり異なることが明らかにされる。〈連合による能動的攻撃性〉の意識的な計画性は、ミシェル・フーコーが明らかにした民主主義国家における政治的な支配制度にも関連していることが確認されている。今日の全国のコロナ感染者は16,012人。東京の感染者数は2,362、埼玉1,075、千葉1,204、神奈川1,633、一都三県の合計6,274は全国の39.2%。北海道224、群馬105、栃木117、茨城263、静岡301、愛知1,776、岐阜188、三重161、大阪2,353、京都406、奈良142、兵庫755、岡山141、広島245、福岡643、熊本129、沖縄558。


2021年09月03日(金)

雨が降り続く肌寒い一日。8時半出社。9時過ぎに事務所を出て、表参道から千代田線に乗り湯島駅にて下車。雨の中を歩いて10分で近現代建築資料館に着く。10時過ぎから開催中の〈丹下健三1938-1970〉展を観る。館内には10人程度の人。図面だけでなくバルサや木製の模型が数多く展示されているのに感心する。〈大東亜建設記念営造記念コンペ1936〉や〈広島平和記念公園1949〉から〈代々木国立競技場1964〉まで、丹下の軸線好みを明瞭に見て取流ことができる。会場中央に置かれた〈代々木国立競技場1964〉の模型は、渋谷一帯から明治神宮までを含めており凄い迫力である。11時前に館を出て千代田線で乃木坂まで戻りTOTOギャラリー間で11時半から〈Ensamble Studio-Architecture of The Earth〉展を観る。Ensamble Studioは大地が建築の素材であるという発想の建築家グループである。スペインの大地を掘り下げ、切削して空間を生み出している。カタログに掲載された西沢立衛の評文のなかで「建築の力を感じる」というコメントとL・カーンがいった「HowではなくWhat」という引用が記憶に残る。 12時過ぎに会場を出て12時半に帰社。久しぶりの展覧会巡りだったが、読書とは異なり新しい空間体験によって頭を掻き回される新鮮な経験である。写真家の上田宏さんから166河野邸」の竣工写真データが届く。「165菅野邸」の屋根詳細図について佐々木構造計画に確認のメールを送る。木村から「165箱の長屋」の玄関引戸の詳細図が届いたので鈴木工務店に転送する。『善と悪のパラドクス』は、第10章「善と悪の進化」を読み終えて、第11章「圧倒的な力」に進む。第10章では、ヒトの自己家畜化から道徳性が生まれた進化のプロセスが検証されている。「人間の道徳性の起源は、主に我々を自己家畜化したのと同じ力に対する反応だ。つまりわれわれは集団内の仲間の殺傷能力を怖れるように進化したのだ。集団志向の道徳的感情がなぜほかの種と比べてヒトにとりわけ強く存在するのか、この考えで説明がつく」「人間の集団で平等主義が強まるたびに、論理的な適応としてバンドのボス的な存在は支配力を慎重に抑制するようになった。やがて他の動物では進化しなかった良心の原型のような意識が芽生え、類人猿的な恐怖にもとづく自制心が人類の祖先に広がっていったのだろう」。かくしてこう結論づけられる。「善悪に敏感になるのは、悪者と判定される極度の危険に対して、私たちが進化させた反応と理解することができる」「更新世の時代、排斥された対象の多くはよそ者ではなく、仲間だったはずである。ここでも、社会的に孤立する潜在的な危険が会ったことで、強い情動的反応が淘汰によって勝ち残った」。かくして結論はこうである。「道徳的心理は、大多数のヒトにとって社会からのけ者にされることが現代より危険だった時代に作り出された。これが本書の核になる考えである」。今日の全国のコロナ感染者は16,738人。東京の感染者数は2,539、埼玉925、千葉1,163、神奈川1,869、一都三県の合計6,496は全国の38.8%。北海道251、宮城104、群馬128、栃木136、茨城263、静岡420、愛知1,720、岐阜233、三重219、滋賀138、大阪2,305、京都372、奈良169、兵庫870、岡山185、広島237、福岡732、熊本130、沖縄507。徐々にだが減少しているようである。


2021年09月02日(木)

雨が降り続く肌寒い一日。9時出社。鈴木工務店と隣家の防火窓の調査スケジュールの件でOさんとメールのやりとり。タカギプラニングオフィスとO邸訪問の日程の件でメールと電話のやりとり。9月半ばにO邸を訪問することになる。『建築雑誌』9月号が届いたので界工作舍のHPとfacebookにアップする。特集テーマは『祝祭のゆくえ』。デジタル時代の祝祭のあり方とフィジカルな都市・建築の関係について多角的に議論している。特集をめぐる僕の連載記事では「境界論 再考」と題して、祝祭を空間・時間の境界の操作としてとらえ、原広司と山口昌男の対照的な〈境界論〉を参照しながら1980年代の記号論にまで遡って再検討している。前田工学賞事務局から今年度の審査日程表が届く。応募締切は10月8日(金)、一次審査は12月6日(月)、二次審査は来年3月3日(金)というスケジュールである。今年から新しい審査員が加わるので賑やかな審査会になるだろう。どんな応募論文があるか楽しみである。『善と悪のパラドクス』は、第8章「処刑」、第9章「家畜化がもたらしたもの」を読み終えて、第10章「善と悪の進化」に進む。第8章では、ホモ・サピエンスの自己家畜化による反応攻撃性の制御は、共同体内での突出した暴君の処刑や追放のくり返しによって進化していったのではないかというエミール・デュルケーム的な〈処刑仮説〉が検証されている。第9章では、反応攻撃性の自己家畜化による低下は〈ペドモルフォーシス〉すなわち幼若化による〈幼形形態形成〉によるものではないかという仮説が検証されている。〈ペドモルフォーシス〉による家畜化は、言語によるコミュニケーション能力を生み出し、協調性と学習能力を強化したのである。反応攻撃性の抑圧が自己家畜化による協調性の強化による〈処刑〉という暴力によってもたらされたという進化論的な矛盾に興味を惹かれる。この矛盾は現代においても依然として解決されていないからである。今日の全国のコロナ感染者は18,228人。東京の感染者数は3,099人、埼玉1,115人、千葉1,089人、神奈川1,738人、一都三県の合計7,041人は全国の38.6%。北海道314人、青森100人、宮城147人、群馬176人、栃木114人、茨城220人、静岡429人、愛知1,719人、岐阜229人、三重248人、滋賀234人、大阪2,501人、京都478人、奈良193人、兵庫954人、岡山163人、広島229、福岡795人、大分115人、熊本171人、沖縄565人。


2021年09月01日(水)

曇り一時小雨の涼しい一日。8時半出社。9時過ぎに事務所を出て外苑前の診療所へ。9時半から8月14日(土)に受けた人間ドックの検診結果について医師の所見を聴く。昨年の検査時から頸動脈の脂肪沈着がわずかに厚くなっていることを注意される。コロナ禍での酒浸りの毎日のため脂肪肝は相変わらずの状態だが、血液検査や胃カメラの結果にはとくに大きな問題はないようで胸を撫で下ろす。内臓脂肪が増え腹囲が2竸びているのに体重が増えていないのは明らかに運動不足が原因である。秋になったら散歩を再開しようか。3ヶ月後の検診を予約し10過ぎに診療所を出る。青山通りを表参道まで歩き、交差点近くの薬局で処方箋の薬を購入して10時半過ぎに帰社。ミラノに住んでいる伊藤格さんから久しぶりにメールが届く。去年にコロナの状況を尋ねるメールをやりとりして以来である。直接会ったのは2010年のロンドンだから10年以上会っていない。ヴェネチア・ビエンナーレの審査を終えた妹島和世さんがミラノ支所に立ち寄り、スタッフとの会食に呼ばれたが、そこで僕の話題が出たらしい。妹島さんとの写真が添付されていたので妻と娘に転送し、近況のメールを返送する。世田谷区役所の防災街づくり担当部建築安全課と「170M邸」の南面道路に関する書類のメールでのやりとり。夕方、佐々木構造計画から「169菅野邸」の杭の高さに関する大同建設からの質問に対する回答が届いたので直ちに大同建設に転送する。「165箱の長屋」のクライアントOさんと田中会計士から賃貸条件の打ち合わせ日時について返事が届いたのでタカギプラニングオフィスに立ち合いの依頼メールを送る。『善と悪のパラドクス』は第6章「ヒトの進化における〈ベリャーエフの法則〉」、第7章「暴君の問題」、第8章「処刑」を読み終えて、第9章「家畜化がもたらしたもの」に進む。第6章では、化石記録からヒトに家畜化症候群が起きたのは30万年前であり、初期のホモ・サピエンス誕生の時期であり(著者はそれを「更新世中期のヒト属」と呼ぶ)ホモ・サピエンスになる過程全体が自己家畜化に結びついており、現代に至るまで反応攻撃性を抑える淘汰圧が強まっているという仮説を提唱している。その上でホモ・サピエンス3つの特徴|稜修旅發機↓高度な協調性、社会的学習能力の高さ、にそ晶腓気魏辰┐襪戮だと主張している。建築家として興味深いのは以下のような指摘である。「人間が〈人工的な保護環境〉である家を建て始めたことが〈意識的または無意識的な育成への干渉〉となり、植物、動物や人間自身の家畜化をもたらした」。第7章では、ダーウィンが『人間の進化と性淘汰』において主張した道徳性の起源に関する以下のような仮説「道徳性の問題は、利己的で反道徳的な個人を排除する古代の処刑制度で解決された。その結果、利己的な性質を抑える淘汰が生じ、社会的寛容性が優勢になった。こうした自然淘汰を通して、基本的な社会的本能が形成された」をめぐって様々な議論が展開されている。第8章では、ダーウィンの道徳性起源仮説が様々な人類学的な事例によって検証されている。今日の全国のコロナ感染者は20,031人。東京の感染者数は3,168人、埼玉1,203人、千葉1,134人、神奈川1,921人、一都三県の合計7,426人は全国の37.1%。北海道351人、宮城171人、群馬180人、栃木164人、茨城215人、静岡480人、愛知1,876人、岐阜278人、三重269人、滋賀183人、大阪3,004人、京都532人、奈良216人、兵庫1,018人、岡山218人、広島266、福岡1,017人、大分127人、熊本180人、沖縄535人。


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