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名称 箱の家 87

一覧分類 工業化・商品化への展開

外観

内観

第一層

第二層

第三層

第四層

概要 夫婦と2人の子供のための住宅である。敷地は大阪府堺市の北部で、近年、区画開発された住宅地の一区画にあり、幅員6mの袋路の突き当たりに位置している。敷地の西面は民間の駐車場を挟んで、幹線道路のけやき並木を見渡すことができる。敷地内に駐車スペースを2台分確保し、出庫時に車が転回できるように、建物は前面道路側から大きくセットバックさせて配置している。南側は隣家が敷地ギリギリまで建っているため、標準的な「箱の家」の深い庇のテラスと吹抜けの家族室は、南向きではなく、前面道路のある東側に向けている。このため夏期の午前中の直射日光をカットし、道路からの視線を柔らかく遮る目的で、庇の先端全面にFRPグレーチングのスクリーンを設けた。2階の和室につづくベランダは、近隣に開放的な配置計画の中でも、スクリーンで視線を遮られた貴重な外部空間である。 子供たちは中学生と小学生という年齢の成熟した核家族なので、家族のメンバー4人は、それぞれ同じサイズ・仕様の個室を有する。東側に吹抜けの家族室を置き、西側に個室群を配列している。1階が夫婦の個室、2階が子供たちの個室である。吹抜を介して家族どうしが緩やかに繋がりながらも、西側に視界の開けたプライベイトな領域を確保している。2階に設けた4畳半の和室は、来客時の予備室的な使用と日常の使用の双方を念頭に計画し、家族室に対して開放することも閉じることもできる空間とした。個人の領域を確保することが主眼なので、階段は玄関室に接続する位置に置いている。 構造は集成材軸組の金物ジョイント構法で、基礎も含めて完全な外断熱としている。屋根は断熱パネルの上に小屋裏を設けて通気層を確保し、勾配の緩やかな切妻のガルバリウム鋼板立てはぜ葺きとしている。外壁は断熱パネルの上に透湿防水紙、通気層を設けてガルバリウム鋼板角波サイディング張りである。断熱パネルの室内側はあらわし仕上げとするため、サンダー加工したアスペンとし、木材保護着色塗料であるオイルステインによって薄い白色に染色している。 1階床全面に、箱の家の標準仕様である水蓄熱式床暖房(アクアレイヤー)を敷き込み、外断熱したコンクリート床スラブに蓄熱させている。ただ、吹抜空間が東に面しているため、冬期のダイレクトゲインによる蓄熱がさほど期待できないこともあり、電力契約は、通常の深夜電力だけでなく、日中も通電できる時間帯別の契約とした。

竣工年月 2003年12月
延べ床面積 106.92 平方メートル
総工費 2500 万円
工法 集成材造

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